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100年に1度の金融危機・・・

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2008年12月21日更新

麻生総理が「100年に1度の金融危機」であると宣言
した、にもかかわらずちまたでは株価は底を打ったと
楽観視する話も多く聞かれる。

サブプライム問題等の金融危機を発端とした米国発の
不況は、現在どの位置にあるのか「100年に1度の金融危機」
ということで、1929年から始まる「世界恐慌」と比較し
ながら考えたい。

・1929年からの世界恐慌

1920年代のアメリカは自動車産業の活性により非常に良好な
経済環境下にあり、と同時に好景気による資金は株式市場に
流入し、ダウ平均株価は5年間で5倍に高騰した。
ダウ平均株価はついに1929年9月3日の381ドル17セントをピーク
として下落を始める。

暗黒の木曜日とよばれる1929年10月24日の暴落、しかしウォール街
による買い支えを行うニュースにより相場は平静を取り戻したが、
しかしその効果は一時的なものとなり、1929年10月29日には
悲劇の火曜日と呼ばれる暴落が襲った。

株価暴落により投資資金は減少し、米国の設備投資縮小が始まった。
これは自動車産業を中心とした工業セクターの生産過剰が製造バブル
となっていた為である。生産調整と設備投資縮小はさらなる投資縮小
を誘引したため、その後強烈な景気後退、いわゆる「世界恐慌」と
なった。

世界恐慌のピークは1932年から1933年にかけてと言われており、株価は
最高値より約80%も下落した。また工業生産は50%近くも落ち込み、
1200万人に達する失業者は、失業率にしては25%となった。

・1929年世界恐慌と2008年からの不況との比較

100年に1度の世界恐慌が底を打つまでに3年以上必要であった。株価は
2007年にピークとなり下落している。さらに強烈な下げが連鎖したのは
2008年の9月から10月となっており、現在は小康状態を保っている。
一方、BIG3はいうに及ばず、トヨタ等も過剰生産を是正のため四苦
八苦している。家電や半導体も減産と雇用調整が始まった。
少なくとも、現在の流れは1929年から始まる世界恐慌と酷似しており、
好況による過剰生産の是正という段階にきている。また各国政府の低金利
政策、金融機関の保護、政府保証による融資拡大は、生産調整を少なくし
景気の減退を最小限に抑えたいためである。
しかしながら、先の日本のゼロ金利によるキャリートレードで世界にばら
まかれた資金が、世界中の株式相場や商品市場をバブルへと誘導したが、
不況下に入った現在、金融緩和という手法により、本格的な景気悪化を
止められるのか、「壮大なる実験」が行われている

WTI原油では2008年7月11日に145.95ドルをつけたあと1/5近くまで暴落し
ている。商品相場は最終的に実需が伴うため、より実態に即した価格形成
が行われやすいとされており、トウモロコシ・大豆なども同様に相当な下
げとなっている。

先の世界恐慌から考えても、過剰生産の調整が終了し、適正生産と適正
在庫となるまで、少なくとも現在の不況は続くことになる。当然、人員
調整が本格化するのはこれからであり、生産調整もこれから本格化する。

ケインズ論では有効需要を作り出すことが必要であるとしており、日本
では需要喚起となる政策に追われているが、財政上の問題が日々深刻化
しており、財政破綻の爆弾を持って内需拡大を叫んでいる状況となって
いる。

株価の調整はどの程度まで続くのかは大きな問題であるが、現在日米とも
ピーク時の半分程度となっている。また不況による生産調整、人員調整も
始まったばかりであり、実体経済に対する影響は今後深刻化してくると
予想される。麻生総理の「100年に1度の金融危機」宣言が正しいのなら、
株価が1/5としてN225の5,000円割れや、不況が底を打つまで最低3年から
4年を視野にいれる必要が出てきた。

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